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この手術が必要になることが多い病気(適応疾患)として、「変形性関節症」、「関節リウマチ」、「特発性骨壊死」などがあります。いずれも、徐々に進行する病気ですので、一刻を争うものではありません。しかし、少しずつ進行して治療の時期を失ってしまうことがあるので、あまり長期に放っておくのは賢明ではありません。あなたの大切な身体の一部です。日常生活にお困りであればご相談下さい。
変形性膝関節症
これは年齢とともに、膝の半月板(主にクッションの役目をします)や軟骨がすり減ってきて膝に炎症がおき、徐々に変形と痛みをきたす病気です。若い方でも怪我の後に実際の年齢以上の変化がでてしまうこともあります。 軽度の疼痛では多くの場合、消炎鎮痛薬や湿布をしてもらったり、ヒアル ロン酸の関節内注射を行って様子をみます。まず、ご自分ですべきことは、膝への負担を減らすために体重、特に体脂肪を落とすこと、さらには膝を守ってあげるために膝の周囲の筋肉、特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることです。筋肉は膝関節に加わる衝撃力を和らげてくれますが、脂肪は単なるおもりでしかないからです。筋肉がしっかりしていればピョンと跳んだ後に柔らかく着地でき、重い荷物を持っていれば脚に加わる力が大きくなることと同じです。 その他の治療方法としては装具療法があります。一般的な方法は外側が高くなった楔状の敷き皮(足底挿板)を足の裏に入れることによりO脚を矯正して膝の内側の痛みを軽くする方法です。O脚やX脚を矯正するために膝へ直接つける装具もありますが、両側に金属の支柱が付いていて大げさな物になるため、せっかく作ってもあまり使っていただけないことが多々あります。布製のサポーターもありますが、これは、あくまで保温用のもので、矯正などの効果は期待できません。最近、いわゆるサプリメントも多く発売されており、研究結果では消炎鎮痛剤と似たような作用があることは認められています。しかし、サプリメントで軟骨が再生されたという報告は殆どなく、私共はその使用について、それぞれの患者さんのご判断にお任せしています。また、厚生労働省がサプリメントを治療薬として認めていませんので、病院ではお出ししておりません。また、痛み、特に歩き始めの痛みが強くなってくると膝に水(関節液)がたまり(これを水腫あるいは関節水症といいます)、外来で水を抜いたりします。“水を抜くと癖になる”と思っておられる方もおられるでしょうが、抜かずに溜まったままにしておくと、“痛い”、“太ももに力が入らない”というだけでなく、関節を包むふくろ(関節包)がゆるんでしまい、膝が不安定になってしまうことがあります。ですから、ある程度、関節に水が溜まった状態が続くときは水を抜いた方が賢明です。レントゲンでは、関節のすき間(関節裂隙、実際には半月板や軟骨があります)が通常より狭くなり、骨のトゲ(骨棘)が飛び出したようになります。このような状態が進行すると、膝の曲がる角度(可動域)が減り、O脚やX脚の変形が見た目にも分かるようになり、歩く際に膝が横に揺れるようになります。ここまで来ると、階段の上り下りがつらく、外出するのも大変になり、近所への買い物も行きづらくなります。そうなると手術による治療を考える必要がでてきます。
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関節リウマチ
これは自分自身で自分の体の一部を攻撃してしまう、「自己免疫性疾患」といわれる病気の一つです。通常、人の体は自分自身に対しては攻撃せず、細菌などのよそ者に対しては攻撃して害を受けないようにする(これを免疫といいます)のですが、自己免疫性疾患では自分の体の一部を敵とみなして攻撃してしまいます。リウマチでは攻撃の場が関節で、関節の軟骨を徐々に自分で攻撃して破壊していきます。通常いくつもの関節の左右両方に生じます。多くは手の変形を生じます。病気になって最初の頃の治療は、まず飲み薬(消炎鎮痛薬、抗リウマチ薬、ステロイドなど)を使います。。しかしこれまでの薬ではどうしても治療効果がでないこともあり、「生物学的製剤」 などの新しい薬が開発され、これにより痛みがなくなる方もおられるようになってきました。ただし、副作用の問題もあり、この薬を使える患者さんは限られています。不幸なことに病気が進行して膝関節の軟骨が破壊されると「変形性膝関節症」と同様に軟骨がすり減ってしまうので、最終的には人工膝関節の治療を必要とします。レントゲンでの変形性関節症との違いは関節のすき間はとても狭くなりますが、骨のトゲは出てこず、かわりに骨が抜けたようなところが出てくることが特徴です。
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特発性骨壊死
これは主に膝の内側か外側の体重がかかりやすい部分の軟骨が周囲の骨と一緒に腐って死んでしまう病気です。限られた範囲の軟骨・骨が傷むので、多くの場合は痛みの場所がはっきりしています。比較的若く、活動性の高い方の場合は傷んだ部分に負担がかからないように骨切り術でO脚をX脚気味にしたり、さらに傷んだ部分にあまり大切でない部分の自分の軟骨を骨付きで植えたりします(自家骨軟骨移植術)。高齢者であれば人工膝関節手術のなかでも一部だけを取り替えること(単顆置換術)で対処したりします。つまり、関節内の正常な部分は人工のものにはせず、そのまま残すことができます。ですから、関節全体を取り替える人工膝関節全置換術に比べると、関節にやさしい手術といえます。骨壊死症には進行段階があり、その中でとても痛くてよく水の溜まる時期があります。その時期が手術を考える良いタイミングですが、さらに進行すると関節全体が変形して変形性膝関節症となり、人工膝関節全置換術が必要になってしまいます。
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