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手術の痛み

 しっかりした麻酔科医がついていれば、手術中の苦痛は全くありません。手術室に入ったら、心電図モニターのシールを貼ったり血圧を測ったりしたあと、痛み止めの処置をします。痛み止めの処置は、持続硬膜外ブロックといって背骨の腰の部分に細いチューブを留置するものです。これにより、術中は身体へのダメー ジが少なくてすみますし、術後にも1週間ほど留置しますから痛みが和らぎリハビリも楽になります。また、この処置を行うことによって、合併症の項にあげた深部静脈血栓症の頻度を減らすこともできます。そして、麻酔科医が「眠たくなりますよ。」と言いましたら、10秒以内に眠ってしまいます。よく尋ねられることですが、手術中に痛みのために目がさめるということはありません。大酒飲みの方や睡眠薬を常用されている方でも大丈夫です。
 手術中は自然な眠りに近い状態で眠っています。手術が終わったら数分で目が覚めます。私共の施設では、手術終了後に目覚め、「手術はこれからですか?」と質問されることも度々あるくらいです。その後1時間くらいは少しぼんやりしますが心配ありません。治療上必要なときは、麻酔のままICU(集中治 療室)へ入室して回復を待ってから麻酔を醒ますこともできます。また、身体が冷える事が多いので電気毛布などで保温をします。痛みを感じるのはこのころからですが、痛み止めの坐薬や注射薬に加えて、手術中から持続硬膜外ブロックなどの痛み止めの処置を継続していますから大丈夫です。患者さんによっては、むかつきが出たり、血圧が不安定になったりして、手術直後に痛み止めの坐薬や注射薬を使えないことがあります。こんなとき多少の痛みを訴えることがありますが、それでも眠ることのできる程度のものですから安心してください。
 手術では、麻酔科医は極めて重要な存在です。麻酔科医は、痛みを止めるだけでなく、心臓や肺のはたらきに目をくばり、急な出血などにも適切に対応する仕事をしています。血圧が高いと手術中の出血が増えてしまうので、出血をなるべく少なくするために自由自在に血圧をコントロールすることができます。手術では体の変化を予測して重大な合併症が起こらないように気を配ることが極めて重要です。

 麻酔医には、2年間の訓練を受けて認定される麻酔標榜医と、専門家としての試験に合格した麻酔専門医、さらにその上の最高位の資格であり専門医となるための訓練を指導する麻酔科指導医の3種類の資格があります。麻酔専門医は専門医の資格の中でも取得が難しいといわれる資格です。資格がなくても麻酔はで きますが、専門の麻酔医が担当して事故になる率は欧米に比べて日本では非常に低く、日本の麻酔水準は世界でも最高レベルにあります。ところが、麻酔専門医は非常に不足しており、全国の約9000病院のうち、1割にも充足されていないことは社会問題ともなっています。手術を受けるときには、その病院の麻酔に対する体制を確認しておくことをお勧めします。私共の施設は、麻酔には特に力をいれており、2名の麻酔科指導医が常勤しています。非常に稀な体制であり、 最も安心して手術を受けられる病院のひとつと自負しています。

 わからない事や不安なことなど、手術前にベッドサイドに訪れる麻酔科医にどんどん聞いて、穏やかな気持ちで手術にのぞむようにしてください。

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京都九条病院副院長 junki
私が麻酔をします。
京都九条病院での紹介