“膝は痛いけど、、、”とあきらめていませんか?

ごあいさつ

当センターは、若年者から高齢者に至るまで膝(ひざ)の症状にお困りの方のための、膝関節疾患に特化した専門治療施設です。膝関節疾患は、活動性の高いスポーツ選手の外傷から、高齢化や肥満傾向に伴って益々増加傾向にある変形性膝関節症まで、とてもバリエーションに富んでいます。さらに近年は高齢者がとても元気になり、生活活動性(Activity of Daily Life)を年齢でひとくくりにはできず、治療の選択の幅が広がっています。私どもは皆さまにとってベストの医療を提供するため、たくさんの治療選択肢の中から一緒に治療を選択していくことでオーダーメイド治療を実践したいと考えています。

センターの特長

① リハビリテーション・保存治療の徹底

膝疾患の治療方法には、保存療法(手術以外)と手術療法とがあります.膝に変形や外傷があって痛いからといって、すぐに手術が必要とは考えていません。年齢、膝、全身などの状態にもよりますが、可能であれば、まずリハビリテーションを含めた保存治療を試みます。

特に高齢者の方では膝の痛みにより「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下してきます。この状態をロコモティブシンドローム(ロコモ)といいます。進行すると日常生活が制限され、さらに悪化すると支援や介護が必要になってきます。この「ロコモ」に対しても診療・検査を行い、積極的に関連施設のフィットネスクラブ(SHIN-SHIN疾病予防研究所)や病院(京都九条病院)でリハビリテーションによる治療を行なっています。

② 膝変性疾患(変形性膝関節症、リウマチなど)に対する多様な治療法

保存治療

変形性膝関節症による症状(痛み、腫れ)が強くても手術までは必要としない場合、通院もしくは入院でのリハビリテーションを用いた保存治療を積極的に行います。

手術治療

手術が必要な場合には、患者さんの膝の状態だけでなく、生活スタイル、スポーツ活動、身体の状態などを総合的にみて、様々な手術法の中から個々の患者さんに最適な方法を決めていきます。手術方法としては、低侵襲な関節鏡(内視鏡)手術、膝関節の構造を温存することが可能な膝周囲骨切り術、長期的に安定した治療成績のある人工関節手術があります。

膝周囲骨切り術

膝の人工関節手術は除痛に優れ結果が安定していますが、膝に負荷や衝撃が強くかかるスポーツや重いものを持つ仕事などを望む方には向きません。このような活動性の高い方には、人工膝関節でなく膝周囲骨切り術で治療することができないかを検討します。骨切り術は、部分的に傷んでいる膝に対して、膝周囲骨切りで脚の形を矯正することによって、傷んでいる部分への負担を減弱し、症状を改善させる手術法です。骨切り術は以前からある手術ですが、手術方法、器具などの進歩で人工関節を入れない関節温存手術として近年注目されています。当センターでは膝周囲骨切り術に精通した専門医による対応が可能です。残念ながら全国的にはまだまだ普及しておらず、骨切り術で関節を温存できる膝に対して人工関節が選択されているようなケースも散見されます。当センターでは積極的に骨切り術を提案し多くの方に喜んでいただけています。

右オープンウェッジHTO
左オープンウェッジHTO,ACL(前十字靭帯)再建術
ACLが損傷し不安定性の強い場合、靭帯再建術を同時にお勧めする場合があります。
ダブルレベルオステオトミー(DLO)
内反(O脚)が強い場合、大腿骨・脛骨の両方の骨切りを行いアライメントを矯正し、人工関節を回避する方法があります。

人工関節手術

人工関節は除痛に優れ結果が安定しています。変形の軽い膝に対して関節の一部だけを人工物に取り換える部分置換術と、変形の強い膝に対して膝の関節全体を人工物に置き換える全置換術とがあります。置換術といっても膝関節をそっくり置き換える訳ではなく、膝関節の表面だけを置き換えるのが人工関節のコンセプトです。全置換術と比べると手術で触る部分の少ない部分置換術の方が手術侵襲は小さいため、身体への負担が少なく手術を行えます。そして、術後の膝の曲がりが良く違和感が少ない満足度の高い手術です。しかし、部分置換術は全置換術と比べると国内で10分の1程度しか行われていません。当センターの専門医はこの手術法に習熟しており、人工膝関節を選択していただく場合、膝の一部のみが傷んでいて、靭帯もしっかりしている場合、部分置換術を積極的におすすめしています。膝の変形が強くなってしまうと部分置換術を選択できなくなるため、いつ手術を受けるのかというタイミングも重要と考えています。

人工膝関節全置換術(TKA)
両膝の痛みと変形が強い場合、両側同時手術(約2時間半)を行うことも可能です。
人工膝関節単顆置換術(UKA)
内反(O脚)が軽度であれば、部分置換術をお勧めしています。回復が早く、両側同時手術(約2時間)にも適しています。
人工膝関節全置換術(TKA) ヒンジタイプ
外反(X脚)が強い場合、特殊な人工関節を用いると歩行が安定します。
人工膝関節全置換術,大腿骨遠位部骨折同時手術
元々膝の変形をお持ちの方が骨折された場合、ナビゲーションを用いて骨折と人工関節の同時治療が可能です。

手術の安全性確保

膝周囲骨切り術や人工関節手術を受けられる患者さんにはご年配の方も多く、高血圧や心臓病など身体の病気をお持ちの方もおられます。手術リスクを限りなくゼロに近づけ、安心して治療を受けて頂くことをスローガンに、麻酔科、内科をはじめとする他科と密に協力して、適切な予防・治療を行なっています。

術後の痛みをできるだけなくす多様な鎮痛法

手術に対して特に不安に感じる要因の一つが、術後の痛みはではないかと思います。確かに従来の点滴や内服による痛み止めの使用だけでは、どうしても術後の強い痛みが出ることがあります。そこで当センターでは、手術直前の神経ブロック、手術中の局所麻酔薬カクテル注射、術後の静脈注射薬、内服薬の複数の組み合わせなど多様な鎮痛法を用いて、術後の痛みをできる限り減らす取り組みをしています。

③ 膝スポーツ外傷、障害に対する充実したサポート体制

>> 令和2年8月27日京都新聞(前十字靭帯損傷)記事

予防治療

スポーツをされる方々はプロレベルからスポーツをたしなむ程度まで多様です。スポーツ医学は日々進歩していますがスポーツ外傷は減っていません。傷めた患部以外の治療や予防が現在の保険制度では認められていないため、傷めた患部の治療だけを行い、予防治療を行う病院が数少ないというのが現状だからです。私どもの施設では、治療と同時に、他部位のコンディショニングによる再発の予防をすることによって、スポーツ選手のより長いスポーツライフをサポートします。整形外科医・理学療法士が協力し、老若男女すべてのアスリートを守るという使命感を持ち、より良い医療を提供しスポーツ界と地域社会の発展と向上に役立ちたいと考えております。

アスリートケア

スポーツ復帰を目指す方々に対しては、通常の病院で行われる病院内のリハビリだけではなく、患者さんの状態やリハビリの達成度などにより関連施設のフィットネスクラブ(SHIN-SHIN疾病予防研究所)でマシーンやプールなどを利用してリハビリを行い、スポーツトレーナーによる指導も行っています。さらに、多数のプロ、アマチュアチームのトレーナーとの円滑な連携体制で、病院でのメディカルリハビリテーション、アスレティックリハビリテーションのみならず、スポーツ現場でのフィールドリハビリテーションを行っています。アスリート競技復帰に向けたトータルサポートでは、全身のコンディショニング改善が得られ、競技復帰の時点で“けがをする前よりも高いパフォーマンス”の獲得を目指しています。

手術治療

手術が必要な場合、可能な限り低侵襲な関節鏡(内視鏡)手術を行います。膝のスポーツ外傷で手術治療となる可能性が高い、前十字靭帯損傷、半月板損傷、軟骨損傷に対して、当センター所属の専門医は数多くの治療経験があります。前十字靭帯再建術には様々な手術方法があり、個々の患者さんに適した手術方法を選択します。また半月板損傷については、半月板の軟骨を保護するクッションとしての働きを残すことが重要だと考えています。従来では部分切除しかできないとされていた半月板損傷に対しても、出来る限り縫合することで温存することを心がけています。軟骨損傷についても重症度、年齢などに合わせて関節鏡下骨髄刺激法(マイクロフラクチャー法)、自家骨軟骨柱移植術(モザイクプラスティ術)、自家培養軟骨移植術、膝周囲骨切り術などを行ないます。

半月板縫合術
  • 骨切り手術時も半月板をできるだけ残すために縫合術を積極的に行います。
  • 患者様自身の血液から作製したフィブリンクロット移植を併用し治癒率の向上を目指しています。
  • 骨切り手術時に縫合した場合、プレート抜釘時に関節鏡で再チェック(セカンドルック)をします。

京都九条病院での症例数